ラピッドトリガー搭載キーボード

ラピッドトリガーとはセンサーの有効範囲におけるキーの移動量を検出し、それによってONとOFFを行うものです。
たとえば検出量を0.1mmに設定すれば
・キーを0.1mm以上押しこめばすぐにON
・キーが0.1mm以上戻ればすぐにOFF
となります。
そしてこれらはキーがどの位置にあっても、移動方向が変わればONとOFFが切り替わります。
とくに移動キーとして使われるWASDであると思いますが、キーが戻り切っていない中間くらいの状態で再度押し込んでも再反応が可能なのです！
いままでの固定された反応ポイントとは違い、とても短いキーの移動量で自分の思った行動がとれるため、瞬間の操作が求められるFPSに特化して開発された機能です。

いままで反応が早いということで開発された一般的なスピード軸（銀軸）でも、反応ポイントはキーを押し込んでから1.2mmの位置でした。
これをラピッドトリガーは最短0.1mmから設定が可能となっています。
0.1mmではキーに触れただけで反応してしまう人はその移動量0.5mmや0.8mmなど、自由に設定することも可能です。
とくにスピード軸は、反応ポイントが浅いのでONになるタイミングは早いですが、キーがOFFになるタイミングについては底から2.8mm戻らないと信号が切れません。
ですがラピッドトリガーではOFFになるタイミングも0.1mmから設定可能ですので、思ったときに即座に立ち止まることができます。
この機能がValorantのストッピングに非常に有利に働き、FPSで大注目されています。

また、メンブレンキーではゴムやプラスチックの薄い膜が接点として存在し、これらが底でくっつくことでONになります。
これではキーボード操作で行う、移動やスキル使用がワンテンポ遅れてしまいます。
ですのでメンブレンキーはあまりFPS向けではないといえるでしょう。

ラピッドトリガーはキーが今どの位置にあるかを測定しなくてはいけないため、その測定の方式がいくつかあります。

・磁気ホール効果センサー方式 …
キーの底に設置された磁石があり、基板に設置されたセンサーで磁力の強さから現在の位置を測定する方式

・静電容量検出方式 …
物体に流れる微弱な電力（静電容量値）を測定し位置を特定する方式

・オプティカル（光学）センサー方式 …
光源と光を遮る部品によって、スイッチ軸を通過する光の量を測定する方式

なかでも「磁気ホール効果センサー」を使用した製品が多く出ています。
なおこれらは特にどれが優れているということはございません。

ラピッドトリガー搭載の一部メーカーではフルストロークから底部分のセンサー有効範囲がすこし短くなっているものがあります。
これはどうしてもキーを押したときにキーボード全体がすこしゆがんでしまい押したキーの周辺のキーの誤作動を防ぐためにわざと短く設定されています。
とくにゆがみはキーボードの中心では起こりやすく、マージンを設けられているというわけです。
フルキーストロークが有効範囲のメーカーで、周囲のキーの誤作動が起こりやすいという押し圧が高い方の場合は、移動量設定を0.1mmから0.3mmなど移動量を少し増やす設定にるのもオススメです。