商品について
新しいスタンダードを生み出すコンパクトデジタルオーディオプレーヤー
最高クラスのDACとアンプに加え、バランス出力にも対応したハイレゾエントリープレーヤー
新しいスタンダードを生み出すコンパクトデジタルオーディオプレーヤー
最高クラスのDACとアンプに加え、バランス出力にも対応したハイレゾエントリープレーヤー
■アップサンプリングによりあらゆる音源をハイレゾ相当の高音質再生
Hi-bit機能により16bit、24bit音源も32bit化、アナログのような滑らかな音を実現
■Wi-Fi/Bluetooth対応
OTA Updateに加え、Wi-Fi接続時ネットラジオやStreaming Serviceを利用可能
■Twin DACフルバランス回路 上位機種に迫るクオリティを実装したコンパクトモデル
ESS社製DAC ES9018C2M x2 、 最大192kHz/32bit、DSD 5.6MHz Native再生
■再生/FF/FR/ボリューム操作キー 画面をつけずにダイレクトにアクセス可能
ホールドON時の各ボタンの有効/無効を個別設定可能
■選べるヘッドホン端子
3.5mm3極アンバランスヘッドホン出力 / 2.5mm4極バランスヘッドホン出力 搭載
パイオニアの小型DAP“private”「XDP-30R」のサイズは、「手の中にちょうど収まる」程度。右サイドがカットされたデザインで、左手で持つとより薄く、手になじむ印象だ。仕上げはヘアライン処理が巧みで、アルミの素材感をうまく生かしつつ、高級感を高めるよう工夫されている。
操作系で最大の特長は、ハイレゾスマホ“GRANBEAT”「DP-CMX1」にも搭載されたホールドスイッチだ。ダイヤル型ボリュームの弱点は誤動作しやすいことだが、ホールドできれば安心だ。
OSは、Androidと同じLinuxカーネルがベースだが、本機のために新開発されたシステムだ。その動作は非常に軽快。ユーザーの操作から実際に画面が切り替わり終えるまでの速度は、近年のタッチ操作DAPでも最速クラスな印象。これぞ「サクサク」だ。電源オンオフ時の起動と終了の処理も速い。
さて、軽いOSをベースに、オーディオに必要な機能だけを足したのが本機だが、その「足された機能」に同社ならではの強みが含まれている。
Hi-bit32、アップサンプリング、デジタルフィルター切替、ロックレンジアジャストというおなじみのサウンドカスタマイズ機能がフル装備されているのだ。それらの機能を新規システムに実装する際には、AVアンプの開発者も活躍したとのこと。総合オーディオメーカーの強みが発揮された部分と言える。
肝心の音質はどうか。まず結論から言うと、イヤホンや音源との相性、そして好みに合わせてサウンドカスタマイズを行うと、「この小ささ、この価格でこの音に仕上げてくれたとは見事なものだ」と強く納得させられた。
XDP-30Rは、声のシャープさやギターのエッジ感など、音の輪郭や鋭さを少し強調する。その硬質さや精密さによって音の本体を聴き取りやすく明快に描き出す。
細かな音もかっちりと届けてくるこのタイプの音作りは、いままでは埋もれて聴こえにくかった音もはっきり聴こえ、音の良さを実感しやすい。「わかりやすく音が良い」という、エントリーモデルでは特に大切なポイントをきっちり押さえている。
小型・快速・低価格、そして何より音質を優先条件とするために割り切った設計を行ったモデルと感じた。二兎を追う者は一兎をも得ず。潔い設計であり、その潔さこそが本機を、ほかのDAPとは異なる存在にしている。
文:高橋 敦
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。