商品について
AK70 の後継モデル登場 もはやエントリーを超えたプレミアムモデル
AK70 の後継モデル登場 もはやエントリーを超えたプレミアムモデル
■A&ultima SP1000 の設計思想を踏襲、高出力化を果しながら低歪・高S/N を実現
■AK240 と同様の、シーラス・ロジック製「CS4398」によるデュアルDAC 構成
■PCM 最大384kHz/32bit、DSD128(5.6MHz/1bit)の再生に対応 *ネイティブ再生は192kHz/24bit まで。 *352.8kHz は176.4kHz、384kHz は192kHz、32bit は24bit にダウンコンバート、DSD はPCM176.4kHz/24bit に変換対応。
■通常のヘッドホン端子に加え、バランス出力端子を搭載(2.5mm/4 極)
■DLNA ネットワーク機能「AK Connect」搭載。ストリーミング再生やスマホからの遠隔操作などにも対応。
■プレーヤー本体から直接楽曲を購入できる、ストア機能搭載
■・USB AUDIO デジタル出力をサポート。DSD ファイルはDoP での伝送にも対応 *PCM:384kHz/32bit DoP:DSD128(5.6MHz/1bit)まで。
■PC と接続してUSB DAC として使用可能 徴*PCM:96kHz/24bit まで
■Bluetooth ver.4.0 搭載、aptX HD 対応
■本体に直接CD をリッピングできるAK CD-RIPPER/AK CD-RIPPER MKII 接続対応
Astell&Kernの「AK70 MKII」は、プレミアム・エントリーモデル「AK70」のリファインモデル。AK70で好評だった高いポータビリティはそのままに、フラグシップ「A&Ultima SP1000」の開発から得た高音質化技術を惜しみなく注ぎ込んでいる。
一段と音質のグレードアップを図るために、「デュアルDAC」を採用し、アンプ部分にフラグシップSP1000の設計思想を採り入れている。DAPの常識を越えるSP1000の高い解像度と力強さには度肝を抜かれたが、本機も同ブランドが目指す最新鋭のサウンドを獲得した。
再生フォーマットは幅広くサポート。ネイティブ再生はリニアPCM系の192kHz/24bitまでに対応。384kHz/32bitまでのファイルをダウンコンバート再生できるほか、5.6MHz/2.8MHzのDSDファイルもリニアPCM変換で対応する。
今回は本機とAK70を聴き比べながら、本機の進化を探ってみた。内田真礼『Drive-in Theater』から「5:00AM」では、アンバランス接続からバランス接続に変えるとボーカルの張りと艶、鮮度がケタ違いに高くなる。AK70ではアンバランスとバランスのヘッドホン出力がほぼ同じレベルだったので気にならなかったが、本機ではバランス接続に変えた時にボリュームを少し絞らなければならないほど高出力化を果たしている。
比較してしまうとアンバランス接続のサウンドが平板に感じられるほど、バランス接続では起伏に富んだ豊かな楽曲の世界が広がる。高音が爽やかに抜けて、余韻がきめ細かく広がる。大人の女性ボーカリストとしての内田真礼の巧みなテクニックが浮き彫りになり、イヤホン越しのアーティストとの距離がグンと近づいてきた。ハイレゾ再生を楽しんでいる実感と手応えも沸いてくる。
バランス接続では、楽器の音は肉付きが格段に良くなった。例えばシンバルがただ金属を擦り合わせたような音から、楽器として華やかで色気のある音に変わるようなイメージだ。タイトに引き締まったエレキベースが体の芯にぶつかってくるような弾力感もいい。
SP1000譲りの高い解像感は本機が獲得した大きな強みのひとつだと思う。これからのAstell&Kernの標準型となり、またプレミアム・エントリークラスのハイレゾDAPの進化を引っ張るリファレンスになるだろう。
文:山本 敦
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。