商品について
圧倒的な消音性能と大型ヘッドホンに匹敵する音響性能。Apple製品対応モデル
◆圧倒的な消音性能と大型ヘッドホンに匹敵する音響性能
◆音楽を聴きながらでも周囲の音がクリアに聞き取れるAwareモード
◆コンパクトな付属のキャリングケースに収納して持ち運び可能
◆Apple製品対応モデル
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iPhoneと組み合わせていくつかのアルバムを聴いてみよう。まず、16年振りにオリジナルメンバーが集結した、ブラーの新作『The Magic Whip』。
「Ice Cream Man」はエレクトロニクスなどをからめたバンドサウンドで、寂しいようなあるいはとぼけたような歌声も印象的だ。では、NC機能をオンにして装着。するとこの曲をふんわりとした音場で聴かせてくれた。ギターやドラムスなどが耳の周囲に漂うようなイメージ。これはイヤーチップの形状に寄るところが大きいと思えた。耳を塞ぐようにして使うのがイヤホンだ。しかし、本機では逆に「開かれた音」と表現したくもなる。
ちなみに、自宅のリビングの窓を開け放って使用したが、道路を通過する自動車の騒音がすっと静まる。NCの効果はやはり大きい。しかし、力まかせに抑え込んでいるのではない。自然な音場とのバランスが図られているのである。
続く「Thought I Was A Spaceman」もエレキギターの残響などを活かした創り込んだサウンドスケープ。ここでも本機は大きな空間を頭の周囲に描き出す。弱音もすくいあげ、左右に広がってゆくのがわかる。ドラムスにはしなやかさを感じた。また、エレキギターの高域も荒れず、マイルドにまとめている。これは解像度高く、音楽をひりひりと聴かせるイヤホンとは対照的。本機が生み出すのは、ゆったりと聴き疲れのしない、音場重視のサウンドである。
中島ノブユキの『散りゆく花』も聴いてみた。ピアノやアコースティックギター、バンドネオン、バイオリンなどで紡がれるしっとりとした作品。それを本機は極めて滑らかに表現した。同時に、腕利きのミュージシャンが発する抑揚に富んだ演奏も伝えてくれた。やがて、それらの音が一体化し、大きなうねりとなって聴こえてくる。
アルバムに収録された楽曲は、すべて落ち着いたもので、演出的な盛り上がりはない。しかし、その練られた構造や巧みな演奏は聴けば聴くほどあらわになる。そして音楽の世界にいつの間にか包まれているのである。この感覚は、外来ノイズがカットされたことによる静寂と、まろやかな音質、柔らかな音場があるからこそ出現するものだ。
文:中林 直樹
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。