商品について
9CH パワーアンプ搭載/11.2CH プロセッシング対応プレミアムAVレシーバー
■Sound 徹底した高音質設計
■最大出力235Wの9ch ディスクリート・パワーアンプ
11.2chプロセッシング / 11.2chプリアウト
Dolby Atmos / DTS:Xに対応
自動音場補正機能「Audyssey MultEQ XT32」
■Picture - 4K Ultra HD / HDCP 2.2に対応
8入力/3出力すべてのHDMI端子がHDCP 2.2に対応
4K Ultra HDビデオ・パススルー対応(60p / BT.2020 / HDR)
4Kアップスケーリング機能
■Network - 高音質をもっと身近に
5.6 MHz DSD & ハイレゾ音源対応ネットワーク機能
iOSデバイス / Android / Kindle Fire対応リモコンアプリ 「Denon 2016 AVR Remote」
AirPlay、インターネットラジオ
■Usability - 多彩な機能を使いやすく
2.4 / 5 GHz デュアルバンドWi-Fi(IEEE 802.11 a/b/g/n)対応
Bluetooth 対応
セットアップアシスタント & 日本語GUI
上級機「AVR-X6300H」と同様、現代のAVアンプに求められる性能と機能を確保しつつ、扱いやすさと購入しやすい価格の実現を狙った姉妹機が「AVR-X4300H」だ。
パワーアンプは前作「AVR-X4200」から2ch増やした9ch構成で、各ch235Wの最大出力を確保。ドルビーアトモス、DTS:Xなどオブジェクトオーディオ対応はもちろん、4K&HDRのサポート、DSD 5.6MHz含むハイレゾ対応など、最先端の仕様を満たす。デノンのマルチルーム対応ワイヤレスオーディオシステム「HEOS」にも対応する。
「DCD-1600NE」を組み合わせ、CDを再生。ピアノ、ベース、ドラムの音量バランスが整ったうえで、全体に重心の低い分厚いサウンドを堪能できた。ピアノの高音やシンバルの粒立ち感がX6300Hよりもわずかに強めに感じるが、ベースの量感も強めなので、周波数バランスが高域側にかたよらず、むしろ適度な活発さを印象付け、音の勢いを引き出す。
USBメモリからのハイレゾ再生は、レスポンスの良い低音が正確にリズムを刻み、ハイレゾらしい見通しの良い音場が広がる。基本的に分解能の高いサウンドだが、オーケストラやピアノの低音パートが細身にならず、ベースも重量級と言えるほどの安定感を発揮。下支えの厚い重心の低さはデノンのAVアンプの美点を確実に受け継ぐ。
BDのサラウンド音源は7.1.2chで再生。UHD BD『マッドマックス 怒りのデスロード』では重層的かつ広がりのある展開にドルビーアトモスならではの表現力を実感。ステレオ音源で感心させられた見通しの良い音場はサラウンド再生でもそのまま聴き取ることができ、音楽と効果音が大音量で重なっても、それぞれの音が埋もれず、台詞もクリアに浮かび上がる。
チャンネル数を増やすと、音場が三次元に広がるだけでなく、空間的な解像感も向上することがよくわかる。低音は上位機種に遜色ない量感と押し出しの強さがあり、リズムを刻むパルシブなバスドラムも十分に制動が効いている。
サラウンドバックやハイトチャンネルのスピーカー設置はハードルが高いので、最大でも5.1.4か7.1.2が限界…という映画ファンは少なくないと思う。そんな環境で最良の結果を引き出すには、アンプの実力がカギを握る。9chアンプをターゲットに絞り込んだ場合、本機は有力な候補となる。
文:山之内 正
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。