商品について
SE535は、違いのわかるプロとオーディオファン向けとして、3基の高精度MicroDriverを採用し、豊かな低域を備えた非常に雄大なサウンドを提供します。
◆高遮音性イヤホン
快適な高遮音性イヤパッドが周囲の雑音を最大37dBまで遮断します。高遮音性技術により、ステージ上でも外出時でもリスニング環境を妨げる外来雑音を排除します。Shureの高遮音性イヤホンは、適切な装着によりベストなサウンドが得られます。
◆かつてないカスタマイズ性と快適性
・耳に快適にフィットする最適なノズル角度を採用した軽量、薄型形状
・耳の上を回すことでケーブルが邪魔になることを防止
◆着脱式ケーブルとワイヤーフォームキット
・耐久性のあるKevlar強化ケーブルは、交換とカスタマイズが容易
・曲がり具合を保持するケーブルを耳の上に回す装着方法により、装着位置がずれることを防止
・360度回転するスナップ・ロック機構を備えた金メッキMMCXコネクターにより快適な装着感を提供
SHUREのカナル型イヤホン「SEシリーズ」のハイエンドに位置づけられているのが、この「SE535」である。テクノロジーの面でも、人気の面でもイヤホンの分野を牽引してきたこのブランドで、最高峰に立つとはどのようなことか、今回の試聴を通じてそれがはっきりしてきた。
筆者が最近リファレンスとして使用しているスウェーデンのジャズボーカリスト、リグモール・グスタフソンとウィーンのストリングスカルテットの共演アルバム『Calling You』(輸入盤)から「Makin’ Whoopee」をプレイ。コントラバスは不必要に膨らまず、小気味良くタイトに響く。時にリズムを刻み、時にメロディー奏でるビオラやバイオリンは、まとまりがよく適度なグルーブを生んでいる。ボーカルは、その旋律の上ではっきりと存在感を示し、サウンドに立体感を与えている。声は生々しく、かすれやブレスもリアルだ。そして、これらのトータルバランスの秀逸さにも驚いた次第。
リイシューされたばかりのビートルズ『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』(青盤)から「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」を試聴しよう。リンゴの手数の多いドラミングが、実に空間的に響いてくる。フロアタムから、スネア、ハイハットなどドラムのセッティングが見えるようだ。途中で立ち現れるハープの音色もニュアンスに富み、楽曲の中で重要なアクセントとなっていることがわかる。ジョンのボーカルには厚みや暖かみがたっぷりと乗っている。
これらの音づくりは、ドライバーの性能だけでなし得るものではない。エルゴノミック、つまり人間工学に基づいたボディデザインとの融合で到達したサウンドである。密閉感の高さや着け心地の良さが、高性能のドライバーと相まって、見晴らしの良いサウンドスケープを出現させているのだ。
文:中林直樹
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。