商品について
「ES9018K2M」をモノラルモードで2個搭載。LとRを別々に処理することにより、より優れたダイナミックレンジを実現。
◆「ES9018K2M」をモノラルモードで2個搭載
◆LとRを別々に処理することにより、より優れた高いダイナミックレンジを実現
◆I/V 変換やアンプ部もモノラルコンストラクションを採用
◆幅広い音楽フォーマットに対応(フォーマットはDSD、FLAC、WAV、WMA、AAC、ALAC、AIFF、OGG、MP3、APEに対応 ※DSDはDSF2.8Mのみ。24Bit/88.2Khzにリアルタイム変換再生)
試聴の結果、共通して言えることは本機のサウンドが非常にクリアで色づけがなく、様々な種類の音楽にバランス良く対応ができる柔軟性を持っているということだ。細かな部分については筆者が聴いた楽曲ごとのインプレッションも参考になれば幸いだ。
■Daft Punk Random Access Memories/Doin’ It Right (feat. Panda Bear) (88.2kHz/24bit FLAC)
低域がややあっさりとしている印象だが、解像感が高くスピーディーでキレ味に優れる分、演奏の緊張感に富んでいるところが本機ならではの魅力だと思う。情報量が濃く、しなやかな中高域がダンス系の音楽に溢れんばかりの生命感を与える。メインボーカルとボコーダーのコーラス、シンセサイザーによるプログラミングが複雑に重なり合うパートは、各々のサウンドのレイヤーをくっきりと描き別けながら重厚で立体的なアンサンブルを作り上げる。透明な音楽の空間を遊泳するような不思議なリスニング体験ができた。
■ビル・エヴァンス トリオ Waltz For Debby/Milestones(192kHz/24bit FLAC)
今回本機で聴いた中で最もグッときたタイトル。ピアノの音色はどちらかと言えばスリムだが、芯のあるしなやかな力強さを兼ね備えている。短い音符が鍵盤の上で弾けて、長音は濃厚なサスティーンが効いている。演奏の情感がビビッドに表われるプレーヤーだ。ドラムスはバスドラやスネアのアタック感が鋭く、ハイハットやシンバルから奏でられた音の粒子はふわっと広がり、透明な静寂の中にさっと消えていく。強靱なバネを持ったウッドベースのグルーブも刺激的だ。
文:山本敦
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。